零細チームの心得①

こんにちは、ダーウィンのひろみちです。

毎日何十通とリクエストのおハガキが届いているのですがその中から、一つ取り上げさせていただきます。今日も当たり前のことしか言いません。でも当たり前のことに当たり前のことだけ積み重ねたらそれが当たり前だから胸を張れるし自信持って言えるのです。

当たり前+当たり前=当たり前

あれ、やばい、我思う故に我あり超えたかもしれん。さて、

 


1.零細チームから脱却するために

2.零細チームが強くなるために

 


1.零細チームから脱却するために

皆さん悩み抜いてると思うので、偉そうに書くのが恥ずかしいですが、、。

チームのメンバーを増やすためには以下のフェーズがあります。

①新歓

②入団

③練習来る

④能動的なキーマンの育成

 

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※大したこと何も言ってないけどそれっぽいから絵にしてみました。


①②あたりから始めると、飲みサーとか、テニサーのセレクションとか時代遅れのパワーフレーズが出てきそうなので、今日は③について話しますけど、練習来ない理由をつぶすだけです。


1-1.バイト

お金がないからバイトに行くので、お金のかからないチーム運営を行いましょう。

コスパの悪い大会にはチームとして出ない。その分充実した練習する。

・ランチ、移動費もできるだけ節約。アルティメットするための節約ほど美しいものはない。

・OB、社会人と交流して奢らせる、などなど。

これでバイト減らしたり、都合のいいバイトに変えてもらえれば最高。


僕の周りには、タンパク質/円が一番高いらしい、きな粉を延々と食ってるやつとか、地面に落ちたおにぎり食ってるやつとかいましたね。

やりたいことやるのに恥じることはなにもないわけであります。


1-2.学校の授業・テスト

学期の終わりにきちんと授業でやった内容が脳みそに入っていればいいんです。

・過去問データベースの作成

・ノートデータベースの作成

・出席協力

勉強は時間じゃなくて質です。

協力して短時間で脳みそに残る仕組みをつくれば、テスト前にもフリスビー投げれます。

こないやつはやる気ないとかじゃなくてちゃんと、アルティメットしてもらうために運営者が考えるべきことを書いてみました。


以上、長くなりそうなので一旦ここで切ります。

次回本質の方書きます笑

ありがとうございました。

 

 

!ここからが重要!

アルティメットチームダーウィンは、

「進化と多様性」を基本理念として、東京で活動するオープン&ミックスのアルティメットチームです。2018年にできた新しいチームです。メンバーの出身は(京大、外大、ラクロス早大、フィリピン、米軍(陸、海、海兵隊)、東大、よくわからない人たち)など様々です。

 
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新チームを作る時はディフェンスの練習から始めよう

こんにちは。ダーウィンのひろみちです。

あっという間に半年サボってました。でもまたサボります。

はてさて、学生チームの代替わりの後など、チームをこれから作りあげる時はまずなによりディフェンスの練習をしたほうがいい理由をご説明します。個人目線じゃなくて、チーム目線でね。たぶん当たり前のことしか言いません。

 


1.前提

2.ディフェンス、オフェンスの特徴

3.考察

 


1.前提

①アルティメットはオフェンス有利なスポーツ

②上手くなる時は悔しい時や失敗した時

 


これはいいですかね?

一応説明しておくと、

①スペースに対して7:7が少ないからでしょう。うまいチームになると基本TOは起きないキープ合戦になる。

1:1目線でいうと、パスは通ることの方が多い。

②失敗するから課題が出てきて修正することができる

 


2.オフェンスとディフェンスの特徴

じゃあ、オフェンスとディフェンスに分けて考えてみます。

 

2-1.オフェンスの特徴

・つまずいてたら、点が取れないから絶対反省する。つまずく環境が必要。ディフェンスが強すぎてもいい。

・ディフェンスが弱いと、せっかく練習してても、走りながらのスロー練と同じなので意味がない。

・2人くらい鬼上手い人がいたらそこそこのレベルまではなんとかなっちゃう。場合によっては一人でも。だから後回しでもいい。

・チームで決めた動き方をちゃんと頭に残せれば、そんなに何回も繰り返してもしょうがない。オフェンス有利だから。強いディフェンスとやることがなにより重要。だから後回しでもいい。

そんなわけで、縦軸を成長、横軸に相手のレベル、を置くと以下の図になります。

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2-2.ディフェンスの特徴

・相手オフェンスが弱いと勝手に落とす。

・ディフェンスの失敗は気づきにくいし、誰の失敗かがきちんと役割分担できてないと課題がわからない。ディフェンスの脳みそレベルを上げておくことで、練習での課題掘り出しが可能。

・相手のオフェンスが強すぎると反省のしようがない。

・風のおかげ、相手のミスのおかげ、など、自分たちに起因しない反省も多い中、自分たちの力でTOできた時にのみ成功体験が得られる。

・みんなフリスビー見てるし、オフェンス好きな人が多いから(ひろみち調べ)、反省の議論になりにくい。勝手にディフェンスレベル上がる環境になりにくい。

そんなわけで、縦軸を成長、横軸に相手のレベル、を置くと以下の図になります。

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3.考察

・ディフェンスが強いチームを作ると、ディフェンスにとってもオフェンスにとってもプライムゾーンとの練習が常日頃からできる。

・これさえできておけば、全ての練習がさらに有意義になります。

・結局、アップにしろなんにしろ、味方と勝負?することが死ぬほど多いので常日頃から、強いディフェンスと当たる環境作っておけば、オフェンスが勝手に上手くなる仕組みになります。

・ようは、ブイブイ言ってる4年生の先輩を困らせてあげることがチームにとって一番重要だ。ということです。

 


以上です。

ありがとうございました。

2021年もよろしく!

風をよむ〜ダーウィンのスローマップVer.1の公表〜

 

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♪とぅるーるるーるっるーるーるるーーーーーとぅるーるるっるっるーるるーーーーー

おはようございます。ダーウィンのひろみちです。サタデーモーニングです。

今日はシリーズ「風をよむ」です。風とアルティメットについて書いていきます。

目次

1.オフェンス

1-1.向かい風

1-2.追い風

2.ディフェンス

2-1.向かい風(オフェンスは追い風)

2-2.追い風(オフェンスは向かい風)

3.ダーウィンのスローマップVer.1


1.オフェンス

1-1.向かい風

・シュートの飛距離が出ない。

・サイドシュートはチョップみたいになってしまうことが多い(もちろん浮かしたり突き刺したりすることもあります。)

・バックシュートは浮いてしまうことが多い(もちろん短くチョップになったり、突き刺すこともあります。)

・リードスローの対空時間が上がる。簡単になる。

・シュートがなくなるとすると、あとはインサイ裏方向に攻めるのがセオリー。ディフェンス基礎論、『嫌度』参照

・まともに風に向かってシュート打つと風に負けてしまうから、対角へのシュートにすることで風との戦いを回避


よって

・駆け上がり、先投げなど、ハンドラーのプレーが有効。スペースをあげよう。

・ハンドラーできっちり後ろとの距離を詰めてシュートを打てるとよい

・シュートは対角へ打つことが望ましい。


※爆風編

・点をとることはほぼ不可能なので、失うものはないと割り切る。

・この爆風でどこまで進めるかを楽しむ実験と思う。

・チームで数人、数本でもいいので、向かい風でも投げれるスローがあると良い。それを使う。それしか投げない。

・ミドルレンジのシュートを賭けで打ってもいい。


1-2.追い風

・シュートの飛距離が伸びる

・短いパスの滞空時間が短くなる

・そのためハイバック、ハイサイドが有効

・低いところから浮き上がるスローが難しい。

・長い時間前を見て、多少リスクをおっても、前へのスローを投げることが第一。風の強さによるが前に投げていればTOもそんなに痛くない。


※爆風編

・手前で落としたら地獄。爆風時に向かい風ブレイクされたら負けと思え。

・シュートを早めに打つ。

・相手のエンドゾーン近くでTO合戦することが望ましい。

 

2.ディフェンス

2-1.向かい風

ディフェンスが向かい風、つまり相手は追い風

・ぶっちゃけオフェンスの選択肢が多くて難しい。

・相手のエンドゾーン付近でTOさせることが重要(こちらはシュート打ちにくいので)

・フォースサイドはシュートになかなかマーカーがかぶれないので、フォースバックがおすすめ

・ハイバック、ハイサイドがめっちゃ投げやすいので、マーカーは基本手をあげとく。特にバック

・風が強ければ強いほどシュート打たれたくないので、シュートにマーカーがかぶることも視野。

・シュートをケアするマーカーは、スローワーに近づくこと。マーカー基礎論参照


※爆風編

・相手のエンドゾーン付近でTOさせることが最重要。シュートを打たれないことが重要。

・ゾーンを仕掛けてスローワーにカップ全員で両手を上げて、シュートを打たせないディフェンスが有効


2-2.追い風

ディフェンスが追い風、つまりオフェンスは向かい風

・シュートが勝手に選択肢から消えるので、インサイ裏方向への短いスロー使ったオフェンスを警戒

・短いスローの選択肢は、サイドアップの方が少ないと思うので、サイドアップが有効

・バックアップだとパスゴーが早いので、リードスローを警戒

・マーカーはシュートがないので、若干離れてつくことでえぐられにくい対応をする


※爆風編

・長いスローは勝手に選択肢から消えるので、短いスローのみケアすれば良い。

・後ろはミートギリ。ハンドラーは駆け上がりなどのゲインのスローのみ警戒。リードスローは特に要注意

 

3.ダーウィンのスローマップVer.1

以上をまとめると、下記のようなスローチャートができました。完璧とも言えないので今後ブラッシュアップしていきます。

※相手の特性、時間帯、自チームの特性などを考慮して現場でカスタマイズしてください。

※ゾーンやクラムなども考えられますが、単純化のためまずはバックアップとサイドアップで検討しました。 

 

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図1 ダーウィンのスローマップVer.1

 以上です。ありがとうございました。

 参考記事

tokyodarwin.hatenablog.com

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#2 Zone Theory④ ~レーンの応用、ゾーンOの型と45度の動き~

 こんにちは、ダーウィンのきよです。

 ブログを書いていると、昔卒論を執筆した時のことを思い出します。文字数は4万字程度でしたが、このブログで普通に超えていく文章量だなと笑、昔の自分に対してもっと何か言ってやりたくなります。卒論を進めている4年生、頑張って!

 ちなみに宣伝ですが、ダーウィンは6/29(月)にナイトアルテを開催します!フルで2コート取れます、人工芝です。なんて贅沢なんだろう笑

以下参加申請フォームに飛びます。

Darwin Ultimate Night 6/29(Mon) 

ぜひみんなで楽しくアルティメットをしましょう!

 

目次

 

 

 今回のテーマはゾーンオフェンスです。

 ゾーンオフェンスについてはアルティメットを語るときに一番抽象的になりやすい部分だと感じます。「ハンドやミドルの運動量」とか「速い展開」とか、感覚的に言葉での説明になりやすいトピックと言えます。チームでの共通認識として持っている場合には何も問題ありません。ですが、慣れの部分ももちろんあるため、説明にやきもきする時もあるのではないでしょうか。

 

個人的なゾーンOの基本的思考

~サッカーのゾーンに似ている?~

 サッカーの試合を見ていると、自陣後方のディフェンスラインでボールを回していきながら、時にはミドルポジション(ボランチなど)に回して機をうかがう場面が見られます。これは相手のゾーンの穴を作るためのものです。意図的にやっているチームほどその根底にあるコンセプトが素晴らしいです。最終的に穴を作ってパスを通していき、得点につなげる。本来はゾーンOこそ理詰めなので、チームで共有する時に統一の意志を持っていると良いですね。また、我慢と言われるゾーンOですが、「10往復展開してその中で1本合間を通すスローができれば◎」というくらいの気持ちでやることも必要です。Be patient! です。

 

ゾーンOのポジション解説

 ゾーンオフェンスのポジションに関しては、ディフェンスほど難しくない共通言語があるのではないかと思います。

①ハンドラー

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この3人です。

 誰もが知っているポジションですが、ハンドラーの求められる仕事はかなり多いです。ざっとハンドラーとして考えられる基本原則は次の5つです。

 1.展開スピードは基本的に速くする

 展開は速く回すことが重要です。これはミドルの動きと連動して、カップが平行に近い形になった際に、速い展開で45度のラインを生み出すためです。もちろん緩急は必要ですが、基本的に人はディスクより速く動けないので、速い展開の方が良いと思います。

 2.カップの中に入ってパスをもらう(カップを狭める)

 カップの中に入ると、それを止めるためにディフェンスは少し前のめりになります。これも45度のラインを作る動きや、ディフェンスの頭を越すスクーバーなどを使うために行う動きです。カップゾーンに対する攻め方の例として取り上げます。

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仮に③のハンドラーがカップの中に入ったとします。

    

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ここのスペースが使いやすくなります。

   このような動きは後述のパパーも行ってくれるとハンドとしては助かります。

 3.マイナスゲインの方向に位置をとる(カップを広げる)

 これはカップの平行を作ることとは逆の動きで、カップの合間を広げる役割があります。後ほど型として解説する際に記載します。

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例えばこんな感じでマイナスの方でもらうと

     

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カップが詰める際にそれぞれの合間が開きます。

 例えばこうすると、①への展開が簡単にできてアンハメに行けます。そして落差が生まれるので、先ほどと同様に初期の形よりカップは広がりやすいです。

  カップ自体がそれ全体で動いていく点から、基本的には2~3本のレーンをまとめて横断していく動きになります(また、守れる範囲が狭いです)。しかも、あまりプレスが上手くないと、簡単にハンドラーで展開できてしまい対応力が低いです(ハンドへのプレスにはならないです)。落差さえつけてしまえば攻略のしやすいゾーンと言えます。次の図で表すと分かりやすいですが、実際にはパスコースを防ぐ役割をするのがカップであり、素早い展開に弱い側面があります(ハンドを止められないことが多いです)。

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この楕円がそのまま動いていくイメージです。

 残りの3人で他のスペースを補っていくには難しさがありますよね。本来捨て所を作って7対6を作れると守りやすいゾーンですが、うまく機能しなくなります(実際はチームの決め事でうまくやっているチームもありますが、ご容赦ください)。

 こういう背景もあって、技術力が向上した近年は、カップではなくハンドへのプレッシャーをかけるゾーンを作るチームが多くなってきた気がします。カップ形成よりも、個々がゾーンを守りながらプレスをかけるタイプですね。

 4.ハメ側では持ちすぎない

 これは鉄則だと思います。マンツーマンでもゾーンでも、ハメ側では「一本出なかったらすぐに展開」がお決まりではないでしょうか。チーム方針としてある場合には、必ず守らせなければオフェンスが成立しません。

 5.レシーバーが次に投げやすいスローを投げる

 自分が進む方向とは逆にディスクが飛んで来たら、攻める方向と逆に体を向けてしまうことになります。次の動作をする際に、味方に背を向けることとも同義です。これを避けるために、スローに自信のある人は味方が次に投げる動作に入りやすいスローを投げる必要があります。

 以上の5つになります。ハンドラーで一般的に避けてほしいこととして「同じポジションにとどまって待っている状態」です。常に動きを持っておくと、この後に紹介する型を体現しやすくなります。

 

②パパー

 (後述のウィングと合わせてミドルと総称されることもあります)

   

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このポジションです。

 ハンドラーが全体的に横の動きを多く持つと考えると、パパーは前後へディスクの動きを付ける役目があります。ゾーンの中央に位置しやすいパパーの大きな役目としては、「ゾーンそのものを前後移動(前後に広げ)させる」ことだと考えられます。これはゾーンの「平行」を作る動きなど、穴を生むための動作になります。

 例えば、ゾーンの真ん中に位置するポジションを前に行かせることで、後方にスペースを作ります。

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このような動きをすると...

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スペースを開けられます。

   ほかにもゾーンを広げる役目も担うことができます。

     

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頭を超すパスをもらう動き

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カップを広げることができます。

 もちろん他の人の動きも連動させるのですが、一人ひとりの役割を切り取ると、パパーはこの動きが基本です。

③ウィング

 (パパーと合わせてミドルと総称されることもあります)

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このポジションです。

 このポジションの大きな動きは2点です。「ゾーンD全体を広げる役目」と「斜めへの動き(ダイアゴナルラン)」です。私は「自演乙」ポジションと心の中で言っています。結構好きなポジションです。

★ゾーン全体を広げてからの斜めの動き

  実際にオフェンスの動きについて解説していきます。大体5秒くらいの間の動きなので、所々OF・DFともに動いていないポジションがありますが、許してください。

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 本来は赤③が斜めのパスを止めるべきですが、速い展開に対応できなかった時です。

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 3つのポジションがそれぞれの役割を考えて動き、双方の意図を把握していければ、点を取れるようになってきます。チームとしていくつかオフェンスのパターンを持っておくと、意志を持って攻めることができます。

 

ゾーンOの型

 これについては、ディフェンスの逆を想像することで考えることができます。ゾーンOの基本の型は「△トライアングル」です。皆さんはよく「二択を作る」という言葉を聞いたことはありませんか?あれを体現しているものが△の形になります。実際に図で説明します。

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△の形

 △の形は、ディフェンスの守るコースを2択にして一方を守りにくくする型です。すべての基本はここから始まります。△のパターンがいくつかありますので、できる限り紹介していきます。

ハンドラーが作る△

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展開を容易にします。

 ハメ側に行った際に作る△です。これを防ぐために、プレスのかけ方を変えるゾーンもあります。次の図のようなものです。

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ハンドやミドルで作る△ 

         f:id:TokyoDarwin:20200614161809p:plain

  先ほどのミドルの流れの図を使っています。ここに至ると、2つの△が見えます。△を作る理由は、ディフェンスの型の合間にはめ込みやすいことが考えられます。先ほどの流れから見ていくと、④にパスが出た後はこの形に移行します。      

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 ディスクを持つ人にとって、そこに選択肢が多ければ多いほどその次の攻撃への選択肢も増えます。「オフ・ザ・ディスク」の動きについては奥が深いですが、一つは△を作るための動きを考えていくと、その瞬間自分はパスをもらう人ではないというパターンも感じることができるでしょう。

*注意点*  

 ゾーンOで△を作り、2本、3本とパスが続いていったとします。注意点としては「調子に乗らない」ことです。気持ちよく回していてTOが起きることはよくあります。これは点を取ることに目が行き過ぎてミスにつながる場面です。何度もショートパスが通るようになると、それでつないでいこうとしますが、ディスクが進むほどもらえる味方も少なくなるので、パスコースが単調になり、ディフェンスに狩られたり、味方が要求するコースに投げられない「点でのつなぎ」になってしまいますので、気を付けましょう(一度は経験してみてください笑)。

 

レーンにあてはめた考え方

 今回話をしてきたオフェンスについてですが、レーンの考え方について言及していきます。アルティメットを長年やっていれば、もしくはサッカーなどの考え方の近いスポーツ経験者であれば、無意識にやっていることかもしれませんが、敢えて意識してやってみることで、プレーの幅が広がるかもしれません。

①アルティメットで典型的に次につなげにくい動きとは?

 端的に言えば、ミートやヘッズ(英語ではunderと言われます)の動きです。なぜかというと、パスをもらった際に一度攻める方向に背を向けているからです。また、惰性で方向転換をするとトラベルになるので、この要素も次の攻撃へつなげづらい仕様になっています。

 これをレーンにあてはめ、ミートをもらった際に向けるエリアを考えてみます。例えばサイドレーンについては典型的で、攻撃のために向ける方向が限られます。

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 黄色矢印は動きながら思考できる方向、赤色矢印はレーンで本来見ることのできる方向を足しています。仮にスローが向かって右側に出たら、レシーバーはコート外を見ることになりますよね。そうすれば赤色矢印はもっと増えて、せっかくの攻撃に向くための方向が無くなっていきます。

②攻撃の選択肢を広げる考え方

 では、どのようにしたら攻撃の選択肢を多く保てるか。次の2点があげられます。

 1.センターレーンもしくはハーフレーンにいること

 2.攻める方向に対して、斜めに体が向いた状態でいること

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 では、この向きを作るための動き方とは何でしょうか。それは、45度の動きです。サイドレーンにいても、斜めにもらいに来ることで次の攻撃への選択肢を増やすことができます。このレーンを横断する動きをカットバックと考えます。
 まず右側のプレーヤーですが、ハーフレーンにいることで左右のどちらもに選択肢を持つことができます。左側のプレーヤーは、斜め方向に走っている想定ですが、攻める方向にも選択肢が生まれるのが分かるでしょうか。ディスクをもらうときの体の向きはかなり重要です。ちなみに、この体の向きを一番理想的に体現できる動きが、ハンドラーの駆け上がり(追い越し、英語ではupline)に他なりません。ハンドラーは前を向くことが多いので、攻撃の起点になりやすいポジションですよね。  

③45度コースへの動き(ダイアゴナルラン)について

 45度という言葉は、基礎練習にもあるような基本の動きになります。この45度の考え方を0°≦θ<360°の中で考えると、自分のいる軸を原点にした座標平面上に、各象限へ45度が生まれます。先ほどの画像からわかるように、この45度線への動きが、レーンを横断する動きになりますので、相手のディフェンスを崩すきっかけになりやすいです。

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 先ほどの理想の身体の向きに関して挙げた2点を考えながら、具体的な状況を考えていきましょう。ウィングの動きで出したものと同じ図を使います。

 アルティメットは7対7のスポーツなので、1人が作らなければならないスペースは多いです。ですので、本来サッカーに使われている5レーンの理論とは少し変える必要があります。今回はラインの使い方について話をします。

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 このシチュエーションとして、⑤は赤④を釣るために動いているので△に参加できません。④を黄色矢印の方向に走ってきています(45度)。④がレーンを超えて走ってきていることが分かります。ここで作れた△を使い、赤⑥が守れないように攻撃の型を作っています。一時的にO:D=4:3が作られています。斜めの動きは、本来1人が守るレーンに、オフェンスが入ってくることで、2人見なければならない状況を作る動きです。

  次の動きについてです。①は45度、⑥は315度への動きを行い、④との△を作る動きをした結果、理想的な二択が生まれます。

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 ここの△で気を付けなければならないところとしては、⑥は黄色矢印の方向にもらってはいけないところです。理由としては、この状況でできた青①④⑥vs赤⑥⑦の3:2の状況が、真横に走ることによって△が解消されてしまい。有利ではあるものの、④⑥⑦vs赤⑤⑥⑦の3:3になってしまいます。すぐ近くの味方が同じレーン上に入ると、△ができなくなってしまうので注意が必要です。

 ゾーンのオフェンスで斜めの動きをしてもらいに来る人が多いのは、これが理由です。まず、サイドレーンに位置取っていると、動ける方向が限られるので攻撃の選択肢が狭まります。また、まっすぐミートをしても攻撃方向に背を向けることになります。そして、ゾーンで真横に走る動きは、限定的には効果的かもしれないですが、先を考えるとそこでプレーが止まってしまう可能性もあります。これがすべて斜めの動きで解消できるので、タイミングを見て走ることで効果は絶大です。

~おわりに~

 今回紹介したオフェンスの考え方は、まず1人で試してみると良いです。ディスクの動きは大体直線的なので、必然的に2名のプレーヤーの線は生まれてきます。そのため、その線に自分が頂点となり△を作ることで、攻撃の幅が広がります。

 私自身、2択を作る(△を作る)動きを、どのポジションにいても行うように心がけています。もう無意識ではありますが、慣れるまではだいぶ意識して△を作っていました。皆さんも取り組んでみていただけると、ゾーンだけでなく、マンツーマンOの楽しさが増えると思います。

 次回予告

 Zone Theory⑤ ~すべての動きに直結する首振りとコーチング~

 次回でこのゾーン理論は一旦ラストです。書きたいことはたくさんありますが、なかなか言語化が難しいですね。イラスト系を作ることが一番苦しいです笑

  皆さん熱中症にはお気を付けください。

 ありがとうございました。

 Darwin #2

JFDA中長期基本計画パブコメ回答への回答

こんにちは、ダーウィンのひろみちです。

今日は、JFDAの中長期計画について、出したパブコメへの回答が(結構前に)公表されたので、1プレイヤーとして感想を述べたいと思います。

www.jfda.or.jp

総じて、非常に納得感があり、JFDAの指揮のもと、アルティメット界を一緒に盛り上げていきたいなと感じました。勝手ながら僭越ながら応援の意味も込めて、また、回答への受け止めをお伝えする場がないので、ここで感想をだらだら記します。


〈意見1〉

P24の「誰にとっても安心・安全な競技環境づくり」という記載に対する施策として、競技団体への横断的な情報発信や支援・管理・統制を追記することを提案します。

提案理由

・大学生の勧誘時期にチラシや説明動画を公表することや、就職活動向けのpptなどの横断的な取り組みは競技団体に対して大きな支援となっていると感じるため、継続して頂きたい。

・コロナ対策に関する練習の自粛要請、グランド環境の整備、傷害保険などチーム運用の支援、グランド使用時のマナーなどについてはJFDAとして支援・管理・統制して行くべきと考える。

 
〈ご意見への回答〉

新入生の勧誘活動や選手の就職活動の支援など、一部すでに

実施している取組みに関しましては継続的に実施する方向で おります。社会情勢を踏まえた関係団体の管理・統制に関しま しては、非常に重要な視点であることから、本計画への掲載及 び実施方法、体制の構築について改めて理事会にて検討いたします。


〈受け止め〉

思いが同じであることが確認できてありがたいです。理事会でのご検討を期待したいと思います。

傷害保険とか絡めたら稼いだりできないのかな。

グランド環境の整備は他でもありましたが、行政との折衝とかもしてくれるといいなぁー。今ダーウィンのメンバーが奔走してるけど笑

あと、マナー。みんな早起きして場所取りしてるのに後から来て大学チームからグランド奪うチームとか見てると、ほんと腹立つんだよな。次見たら絶対チクったんねん。管理・統制って書いてくれるだけでも心強い。思い出しイライラ。

引き続きご検討のほどよろしくお願いいたします。


〈質問1〉

P18のSOTGの理解・啓蒙とは何を指すのか教えて頂きたい。ルールには「各選手のフェアプレイに対する責任感の上に成り立っている」「試合中に審判としての役割も担っている選手が勝利を追求する情熱と自信のプレーを客観的に判断する冷静さを両立するための方法」と記載されており、SOTGが前提として必要なものであるという点については共感するが、前提として、本来減点法としてあるべきであるSOTGが、近年「自己紹介」「相手チームへの賞賛」「プレーに影響があるかどうか」などの曖昧かつ必要以上の、スピリットオブザゲームのゲームの部分を超えた部分の強要、すなわち「SOTGの拡大解釈」がはびこっていると感じる。拡大解釈を伴ったSOTGは知人同士の馴れ合いや慣習による判断を生み、新規参入の阻害にもなり得、また未経験者の理解を難しくするのではないかと危惧している。試合での採点方法は今回の議論の焦点ではないが、中長期的に見たSOTGの普及について考えをお聞かせ願いたい。

 

〈ご質問への回答〉

「SOTG の理解・啓蒙」とは、公式競技規則に示されているスピリット・オブ・ザ・ゲームの定義や世界フライングディスク 連盟の見解等を広く普及していくことを意味しています。主 に、スピリット・オブ・ザ・ゲームスコアにおける基準点(2 点 に対する理解を全国統一的なものにしていくことが目的です。

中長期的に見た SOTG の普及に関しましては、全国統一的な 基準で SOTG に則った試合進行がなされることを目的に、関連 する取組みを実施していく考えです。SOTG に絶対的な解は存在しないことから、本協会が「SOTG を体現する行動」について選手やチームに対して指導、啓蒙することはありません。ご質問 内容にある「SOTG の拡大解釈」に関しましては、SOTG の体現 は選手の行動に依存するものであり、解釈の広さ等も対戦するチーム同士のコミュニケーションを通じて調整を図るものと考えていますが、この点は SOTG を考えるうえで重要なテーマ であるため、本協会 SOTG 委員会を中心に世界フライングディスク連盟とも連携しながら継続的に議論を重ねてまいります。


〈受け止め〉

非常に良く理解ができました。頂いた見解がSOTGの議論の一つの尺度になることを祈っています。

スピリットオブザゲームの浸透はスコア2を揃えていくことが目的、SOTGを体現する行動を指導することはない、競技規則のスピリットオブザゲームの定義を普及させること。

そう。ルール上のSOTG以上のことは何もないということだ。

地球に生きる上で必要なSpilit Of The Humanと、試合で必要なルール上のSpirit Of The Gameはしっかり区別したい。

・ここでこんなこと言ったらSOTG下がるかなと思ってなんかこそばゆい気遣いが絶えない

・英語で自チームに大声出すと何言われてるか分からなくてSOTGが下がる

・悔しがったらSOTG下がるから常に笑顔

こんなSOTGを気にしてSOTHを忘れてしまったアルティメットにならないよう祈るばかりです。

 


〈独り言〉

コミュニケーションって大事だ。

この先細かいことはどうでもいい。思いを理解しあえてることがわかっただけでもかなり収穫だ。だから理解し納得したことを伝えるためにこの記事を書いた。

相手もきっと1人の人間だ。偉そうに何言ってんだって思われてないことを祈る。

あと、SOTGの拡大解釈はまだまだ言い足りないからまた別で書こう。

 


今日は酔っ払いの駄文でした。会社の組合の資料みたいですね。

真面目な記事はきよのゾーン理論を乞うご期待。

ありがとうございました。

#2 Zone Theory③  ~アルティメットに共通言語はあるのか?!ゾーンのポジション解説とDの構築~

 こんにちは。ダーウィンのきよです。

 いつの間にか熱くなってきましたね。夏と言えば学生選手権、この状況でできない可能性も高いと思います。地区予選もあって全国規模になる大会は、学生にとって夏以外に無いので、それが無くなってしまうと辛いですよね。

 リーグごとに場所を変えたり、人数を最小限に抑える分散開催などができるのかはわかりませんが、これまでの頑張りや気持ちが報われる場が与えられることを願っています。

 

 前回まででゾーンDの基本的な型の話をしてきましたが、今回の記事では具体的にディフェンスの型からゾーンの形を模索します。

 

 

1.ポジション解説

 私は今まで、東西や学年などを超えて共通で使われているポジションの名前を聞いたことがほとんどありません。何かしら言いやすいように変えていると感じます。アルティメットの情報エントロピーの高さはここからきていますよね。未だに知らないポジション名を聞くことも笑。ということで、いくつか私の中での可能な限り通例的なポジションの名前で解説していきます。

 今回はカップを使ったゾーンにおけるポジションとして解説していきます。

  

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1人のストア役に3人のカップを作っています。

チェイス(英語ではrabbit / chase)

 このポジションは常にストアリングカウントを数えるマーカー役を指します。様々な考えがあるかと思いますが、私はこのポジションを学生でやってもらうなら上級生です。1年生や経験の浅い人をすぐに起用すると、これまでに話したディフェンスの型が総崩れしかねないからです。実際のチェイスは奥が深いポジションなのではないかと思います。ゾーンの型を覚えさせるためには、後述のサイドミドルもしくはカップが適切だと感じます(チーム状況により差はあります)。他の人がカバーに入りやすいことと、視野を培うことができるからです。

  

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チェイス

 囲っているポジションです。

 チェイスの役割は、「強いマーカー」と「カップ形成の調整役」だと考えています。まず、チェイスは常にマーカーになるので、ストアリングポジションがうまかったり、マーキングスキルが高かったりしないとだめです。初めて経験する人には、しっかり練習させてあげる必要があります。中高バスケやキーパー出身だと上手い印象です。

 カップ調整役としてのチェイスは、相手を囲うカップ形成のために、適切なポジションを取りながらマークに入らなければなりません。例えばこのような場合です。

   

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③の展開が通った時

 すぐにストアに入ろうとすると、味方のカップ形成を待たずに穴ができやすく、また、展開がしやすいです。

    

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まだカップが作れていないので合間が多い

 そこで一旦パスコースを防ぎ、他のカップが形成されるのを見越してストアに入ると、すぐに展開をされず、ハメ側でディスクを保持させることが可能です。

   

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②へのコースを防ぎながら、カップが整ったらストアへ

 チェイスは極端なことが一番しづらいポジションともいえるので、チームメイトのポジションを見ながら自分に近いカップのポジションなどを把握して動く必要があります。

カップ(場所や形によりMMミドルミドル/SDショートディープ)

 呼び方と認識の齟齬が生まれる悪魔の言葉が「MMとSD」です。これはゾーンによって呼び方が変わるため、共通の仕事として認識されていないことが多いです。何かいい呼称ないですかね。絶賛募集中です。

  

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カップです。

 このポジションは、型の中で出てきた「合間」をなくす役割を担います。VやWの型をもとに、ほかのメンバーとの型をうまく組み立て、相手のパスコースをふさぎます。こちらも後述しますが、首振りが一番必要なポジションです。

 カップは全体として、相手に運ばせたい方向を向いてプレスをかけます。体を出されたくないコースの方向にポジショニングしてふさぐことで、ハメ側への誘導をしやすくする狙いがあります。同じ方向にプレスをかけられるように意識統一しましょう。

    

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向かって左側のコースを体で切り、右へのプレスをかける

 カップでの注意点は、特に落差が挙げられます。パスコースとして出しやすいカップの形は「平行」です。そうならないことをめざしましょう。

 

③SMサイドミドル(これは結構な共通言語だと思います)

   

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ここの2人です。

 このポジションは、一番運動量を持ってほしいポジションです。また、首振りよりもコーチングが重要視されるポジションになります。詳しく見ていきます。

 SMというポジションは、ゾーンの両翼を担います。ゾーン全体が広がることも、狭まることも避けなければなりません。次の図を見てください。

    

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対角を捨てすぎ系

 ⑤のディフェンスがハメ側に近づきすぎると、ゾーンが狭くなりすぎて、捨て所としての対角にプレッシャーを感じなくなります。うまいチームはすぐにパスを出すでしょう。次のようなことも考えられます。

    

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対角見過ぎ系

 このような場合には、逆にゾーンが広くなりすぎます。仮にカップが何らかの形で抜かれてしまったときに、⑤の前のスペースで回されてしまう危険性があります。

 SMのポジション一つで、相手のパスコースの幅やビジョンが変わります。この調整を行える人員がSMには必要です。加えて、自分のいるサイドに来たらほかのカップとともにVやZの型を作ります。空間把握能力の向上とアルティメットにおいて重要な「コーチング(声だし)」を会得するにはもってこいのポジションです。

 コーチング(ラストの記事で書きます)の仕方は、ポジションであまりかぶらないようにすべきです。例えば、下の図のように、コーチングの決め事を考えて、声出しの人を固定すると良いです。

  

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声を出す人をあらかじめ決めると、聞く側も楽です

 外からの声出しもそうですが、中の人間が一番近いので、声出しの相手をかぶらせてしまうとゾーンが崩壊します。よくあるパターンはチェイスカップにしか外から声をかけてくれないパターンです。声をかける人が多すぎて「どっちに行けばいいの!!」と相手を怒らせてしまった、もしくは怒った人は少なくないでしょう。

④Dディープ

   

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最後の砦、そして全体を見ることのできる唯一のポジション

 これは2択で考えることが多いです。「全体を俯瞰して声出しができる人」か「奥の競り合いが強い人」です。後者の場合は、ゾーンのコンセプトがプレッシャー重視の場合に効力を発揮します。いわゆる「ブン投げ」防止です。

 ディープは全体を見て一番声を出さなければなりません。SMとは違い、チェイスから一番遠いポジションにあるため、先を見てSMとカップの調整指示を出していく必要があります。声出しは中の人だけに限らず、外の人もディスクとともに動いて出していくことが重要ですが、そのすべての始まりはDのポジションからの俯瞰にほかなりません。ですので、できればDの位置あたりからディスクを見れるような位置で、外からの人は声出しをすると良いです。

2.ゾーンの初期位置の話

 ゾーンのセット練習をするときなど、オフェンスは自陣近く、フィールドの真ん中からスタートすることが多いですよね。実際にプルをコート内に入れるために真ん中に集まることはよくあることなので、ここでは真ん中を一旦の初期位置として話をします。

    

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3-2-2の解説をします。

 今回はプレスをかける3-2-2という形を作ります。図のように、初期位置で注意すべきは前方5人のWの型です。後方の2名は中盤の2名と常にVの型を作るように意識します。この時に注意すべき大前提として「捨て所を決めておく」ことが挙げられます。型を体現することで守れるエリアは広がりますが、それは「コート上で一番出にくいパスコース」もしくは「リスクを伴うパスコース」を捨ててエリアの一角を切ることで可能になります。

 

3.捨て所の例

 捨て所にはいくつかポイントがあります。ディスクが真ん中もしくは両サイドなど、どこにあるかで捨て所は変わります。これはチームで統一の意識がないと、どこかのポジションの人が欲張ったり、守るべきポジションを放棄したりする結果につながるので要注意です。

①対角スロー

 例えばハメ側にディスクがあるとき、普段のマンツーマンオフェンスでも投げないような所は捨て所といえばわかりやすいでしょうか。つまりはロングレンジの巻きスローorハンマースローです。ここを考えなければ、おのずとハメ側へのプレスがかけやすくなります。

    

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リスキーで投げられないと思わせるポジションをとりましょう。

②ハンドtoハンド(サイドチェンジ)

 これはハンマーや巻きスローによる逆側のハンドラーへの一本出しのスローです。プレッシャーをかけていれば裏側への難しいスローなので、とてもリスキーです。このスローにプレスをかけるゾーンも存在しますが、特性によって変更していきながら対応することが重要です。

   

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ここにハンマーをライナーで投げられる人、良き

チェイスの切れるコース

 これはマンツーマンと同じで、マーカーで切れるコースは敢えてほかのポジションにあまりカバーさせないという考え方です。ゾーンにおいて「誰かの責任にする」というのは私の中ではご法度だと考えていて、実はその人の合間が抜かれる前からどこかに歪みができていると考えているからです。しかし、③のコースが抜かれるような場合は、それはチェイスの責任と言えるでしょう笑

 

4.ゾーンの基本形を考える

 それでは、これまでの型と捨て所を明確にして、ゾーンDのおよその基本形を考えていきます。条件は以下の通りです。

 

 ●ゾーンのコンセプトは相手にプレスをかけるタイプ

  せっかくやるなら回させるというゾーンよりも、失敗を恐れずプレスしまくるゾーンを選んだという前提です。

 ●ハメ側の捨て所はハンドラーへのサイドチェンジ、アンハメではストアの守るコースのロングシュート

 アンハメのインサイドシュートは、巻きスローになる可能性が高いです。そのため、一発でゴールに届かないことや、巻きのためディフェンスが戻りやすい、そして巻きなのでOBになる確率も高めです。

 ●ハメ側のチェイスは斜め45度より少し裏にマーキングする

  「裏」という概念は人それぞれなのでしょうか。これはチームによって統一するべきです。実際に声を出した人が考えている「裏」が、当事者の「裏」と違って止められなくなることはよくあるので、認識の統一が必要です。

  大体こんな感じで考えてみます!

   

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かならずプレスの意識統一をします

 まずはWからです。Wの形に配置します。残ったDのポジションを調整して、このような形になります。これが真ん中での基本形になりました。①~③がそれぞれハンドラーのレーンを切る動きに向きます。中盤の2人は前方3人との間で、Vの型を作るように落差と合間を埋めるように位置取ります。後方2人は動くサイドに合わせながら、中盤2人と協調していきます。

   

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ちょっと変わった形です

 ハメ側にいった際の図です。ここではZやVの型をうまくハメて考えていきます。常に気を付けることが、落差を付けてコースを狭めることです。⑥は⑦と前後関係を変えながら見ていって良いです。

 あくまで一例ですが、型を考えながら自分たちにあったゾーンを考えてみてください。考えるの楽しいですよ。

 今後の記事で、「意図的にスローを狩る考え方」について書こうと思っています。意図的に狩りどころを作れたらすさまじいですね笑。理論上は可能ですが、個人の技量やチームでの決め事などもあるので、今度解説を交えて記事を作成しようかなと思っています。

 

おわりに

 前回の記事で紹介した「5レーン理論」はサッカーのバルセロナFC元監督、現マンチェスターシティの監督である、ジョゼップ・グアルディオラ氏が考案したものです。アルティメットの、特にゾーンオフェンスで応用できないかと考えてこの記事を作っているのですが、次回その内容を書いていこうと思います。

 組織的なチームというのは、アルティメットでは「コンセプトが共有できているチーム」が通例ではないかと考えています。ですが本来の意味で組織的なチームは、見据えるゴールとそこまでの過程を同じ線上に統一できるチームだと思っています。

 大学から始める人が多いため長い期間で組織力を身に着けることが難しいのですが、今後中高の部活などに拡大した際に、名監督と呼ばれる人が出てきて、組織的なアルティメットを作り上げていくのではないかと妄想をしています。

 

 次回予告

 ゾーンOの型 ~45度を使う動き方~

 ありがとうございました。

 Darwin #2

フェイクに引っかからないために〜剣道の教え「遠山の目付」〜

こんにちは、ダーウィンのひろみちです。

本ブログはチームで運営しています。そうですみんなで協力できる良いチームなんです。ダーウィンは全ての地球人を歓迎します。


さてさて、今日は大学の時に単位の数合わせで受けていたスポーツ科学だか運動科学だかの授業でやった内容を紹介します。知ってるだけでレベルアップ間違いなしの内容です。

 
目次

・「遠山の目付」とは?

・実験!〜僕に40秒だけください〜

・アルティメットへの応用〜なぜ人は騙されるか〜

 

 

・「遠山の目付」とは?

日本辞典より引用

"えんざんのめつけ【剣道】

[遠山の目付]

目は相手の顔面につけるが、一点を凝視するのではなく遠い山を見るように、相手の体全体を視野に入れること。 "

 


精神論、仕事論的な文脈で使われることも多いですが、もともとは剣道の言葉のようです。

剣道だと、特に相手の剣先を見るのではない、ということがポイントのようです。知らんけど。

 


・実験!〜僕に40秒だけください〜

 悪いことは言わないので、騙されたと思って僕に40秒だけください。

まず、家族、恋人、友達など、そばにいる人と2人1組になってください。そばに誰もいない人はドンマイ。そして、オフェンスとディフェンスを決めてください。次に、向き合ってお互いに手を前に伸ばして、手のひらの位置を合わせてください。くっつける必要はありません。

オフェンスの人は、手のひらを十字、上下左右に20秒程度、早く動かし、ディフェンスの人はそれを掌で追いかける、ということをしてみます。(スタート真ん中⇨上⇨真ん中⇨下⇨真ん中⇨右⇨真ん中⇨上⇨真ん中⇨・・・といった感じ。ディフェンスを置き去りにしてどんどん動かしてください。)

1回目は、ディフェンスはオフェンスの手のひらを見て追いかけてください。

2回目は、オフェンスの奥遠くにある山をイメージして、そこに目をつけながら追いかけてみてください。

反応速度に明らかな差が出ます。是非やってみてください。

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図1


・アルティメットへの応用〜なぜ人は騙されるか〜

ここではフェイクについて

スローワーとマーカーの関係におけるフェイクと、

オフェンスのカットのフェイク

をイメージして話します。

 

なんでもそうですが、人が騙される理由として

①誤情報を見抜けないこと

②急な判断を迫られること

があると思います。

①については、実験をやった方はおわかりの通り、基本的に、遠山に目をつけながらやってみると、大きな動きを捉えることができ、変な小細工に引っかかることが激減します。

②については、アルティメットの場合、

優先順位を設定し、落ち着いて対応するところと勝負するところをはっきりさせることで、いずれも慌てることなく、相手の動きをみてからゆっくり判断すればよくなります。


マーカーの理論も、ディフェンスの理論も、優先順位を設定し、優先順位の高い方①を立ち位置で選択肢から消して、優先順位の低い方②に出来るだけプレッシャーかける。
という原則で構築してます。

 
立ち位置で止めてる方(優先順位①)は自分がいるだけで止まってるんで、無視またはゆっくり落ち着いて対応すればいいです。

自分がプレッシャーかける方(優先順位②)は欲張らずに、100%くる!って時とか、ディスクが出た後とか、選択肢として絞り込めた時に行けばいいです。

例:自分が裏をケアして立っているので、嫌なところに裏は投げられない。裏側への細かい動きは全部無視。相手が本気で裏投げようと踏み込んだ時に対応しよう。そしてそれができる範囲でインサイに出来るだけプレッシャーをかけよう。

例:ミートは自分が立ち位置で優位なので、半身で走ればある程度止められる。シュートはある程度半身で追っといて、相手が本気走りになったり、アップコールが聞こえたら全力で走ろう。

など。

 

ただし、プレッシャーかけないのもまた悪なので、食い意地張ってミスって怒られて、我慢しながら挑戦をして、行けるとこまで行ってみて、でもまたやられちゃダメな方やられて、を繰り返すことで、プレッシャーをどこまでかけれるのか見極めていけばいいと思います。

 
優先順位をつけずに、2種類以上やられうる、どっちくるかな、さぁ!オフェンス!どっちでも来い!ってときは、もうオフェンスの出たとこ勝負なので、そりゃ引っかかりますよね。オフェンスの出たとこ勝負してるんですから。それに追いかけっこは急な判断が迫られすぎています。

とにかく頭の中で優先順位を設定して、落ち着いて対応するところと勝負するところをはっきりさせること ≒ 可能性を想定して、余裕のある対応マニュアルを持っておくこと

が重要です。

 

フェイクについては以上です。

実験、是非やってみてください。

ありがとうございました。

 

!ここからが重要!

アルティメットチームダーウィンは、

「進化と多様性」を基本理念として、東京で活動するオープン&ミックスのアルティメットチームです。2018年にできた新しいチームです。メンバーの出身は(京大、外大、ラクロス、早稲田、フィリピン、米軍(陸、海、海兵隊)、よくわからない人たち)など様々です。

 
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