(#2) Zone Theory① ~ゾーンのあれこれ言語化します~

こんにちは、ダーウィンのきよです。

まだまだ大変な状況が続いていますが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私はかわいいネコに囲まれて、アレルギー全開で皆さんにお会いできる状態ではありません。

 

こちらの記事では「ゾーン理論」について展開していきます。

ゾーンって言われると、とても曖昧なことしか言えない人が多いと思います。

 

ゾーンを守る

とか

受け渡しをする

とか

7対6をつくるとか

 

では、それは何のためでしょうか?

 

それぞれの中にある「ゾーン」という言葉の言語化レベルが統一されていないために、理論を浸透させることが難しいのではないかと思います。

だから考えるというより、「形になれること」を優先されることが多いです。

 

 前置きはこれくらいにして、ここでは具体的な内容を話していければと思います。

あくまで個人的な理論にはなりますが、無意識にやっていたことを言葉におこしてみました。

 すんごい長いので、5回に分けて投稿します笑

 最初は話ばかりで図とかがないですが、2個目の記事から殺風景じゃなくなります。 

第1回 ~ゾーンとは?いつ、何のために使う?~

 

 

 

 

 ゾーンディフェンスは、マンツーマンが1対1で個々のプレイヤーを守るのとは違い、それぞれのポジションが自分のエリアを守るディフェンスを指します。

 具体的なゾーンの種類については、2-3-2 / 3-2-2 / 1-3-3 / 4カップ などなど、考えればキリがありません。

 この種類が豊富である理由は、いわゆる「落とし所」の違いから生まれます。

①なんのためにゾーンを使うか

 マンツーマンには出来ない守り方のパターンであるゾーンは、相手によってマンツーマンと使い分けていい効果を発揮することも多いです。ゾーンのコンセプトとしては、次の3つが多いです。

  • 手数をかけさせて落とす

 相手が前に進む(ゲインを取る)ためのスローコースをふさぎ、とにかくパスの数を増やして落とす確率を上げる(パス成功確率を下げる)ことを目指します。これは以前の別の中の人が書いたマンツーマンディフェンス論で確率の話が出ましたが、そんな感じです。

  • はめて落とす

 通称「ハメ側」(strong side)にて、そこにディスクが運ばれた時に強いプレッシャーをかけることにより、10アウトに陥れたり、スローワーにリスクの高いパスを選ばせ結果的にターンオーバーを起こすことを目指します。5~10年前くらいまではこのコンセプトに基づいたゾーンが主流だったと感じます。

 スローコースをふさぐことのできるゾーンディフェンスでは、一本目のロングシュートを防ぐ役割も期待できます。そのため、コートのハーフライン~自陣エンドゾーンのどこかでマンツーマンに移行し、プレッシャーをかけて落とすこともできます。

 ただ、マンツーマンが強いことと、トランジションのかけ方を全員が統一していないと、ミスマッチが生まれやすくなることは一つの欠点です。

 

 上記では、「なんのために」ゾーンを使うのかを考えました。チームの戦術(tactics)の中にゾーンは必ずといっていいほど入ってきます。どのような場面で使うかという次の話で解説をしていきます。

 

②いつゾーンを使うか

 

 次に戦略(strategy)の部分です。チーム方針として、短いと30分程度、長ければ1時間以上のゲーム時間の中で、どのように作戦を立てるかは、想像以上に大切です。学生選手権で上位に上がるチームのほとんどは、しっかりとしたチーム戦略があり、それを浸透させているのではないでしょうか(信じるか信じないかはあなた次第です)。

 以下、大きく分けてチーム戦略を3つに分けてみました。

 

  • チーム戦略の柱として使う

 「ゾーンチーム」という呼称が存在するほど、ゾーンを極めんとして強くなるチームがいたりします。学生のまだ技術が熟していない時期には、ゾーンをかけられると嫌な顔をする人も多いかもしれません。ゾーンのオフェンス理論がしっかり打ち出されていないことも考えられますが、スローが卓越しているチームでないとTOが増えます。ゾーンはそれほどアルティメットにおいて重要な要素なのです。

 

  • 試合のペースダウンに使う

 例えば、試合がマンツーマン主体でシュート多めの展開だったとします。自分のチームがいいロングシュートで得点しても、相手も同じようにシュートで得点を重ねてくる、いわば大味な試合展開。チームの士気を上げても相手のシュートで士気を戻されてしまっては意味がありません。そのようなときにゾーンで相手の一本目シュートをなくし、いったん相手の勢いを殺すためにゾーンが使われることがあります。

 JFDA主催の大会でスコアボードが出されますが、勝っているチームのオフェンス時間は負けたほうより短いです。これはオフェンスを簡単にとり、ディフェンス戦術で相手の攻撃に時間をかけさせたり、TOを起こしている証拠です。

 

  • 試合の転換点として使う

 様々な意味合いがありますが、チームとしてゾーンを使うときは気持ちを落ち着かせる時だ、とか。相手がマンツーマンでうまく落としてくれないので、ゾーンが効くか試す。といった具合に使われます。

 試合のペースが速くなればなるほど、試合のターニングポイントで正常な判断ができないこともありますよね。いったん落ち着くという行為はとても大切だと感じます。

 これとは逆に、マンツーマンをこの役割で挟むようなチームもいますね(いわゆるゾーンチームの派閥に属します)。

 

 ゾーンを使うためには、チーム戦略(strategy)として「いつ、どんな場面で使うのか」、チーム戦術(tactics)として「なんのために、どんな形で使うのか」という点を考えていけると、ゾーンの幅は広がるし、練習の意味を見出しやすいと思います。

 

次回の記事では、私の考えているゾーンにおける「レーン」という概念と、ゾーンディフェンスの型についてお話ししようと思います。

私の家のネコの写真は

Kiyo (@kiyo_smallbird) | Twitter にたまに上げています。かわいいです。

ありがとうございました。

Darwin #2